この記事では、本社から出向させられた社員が、そこで活躍して本社に戻って華々しい成果を上げるプロセスを、新日本プロレスの真壁刀義選手の事例に学びます
ある大企業で働く、若手から中堅社員の中間くらいにいる彼は、ある日、思いがけなず、中小企業への出向を銘じられました。最近交流が始まったとはいえ、これまでだったら取引もしていなかったような小さな会社です。
彼の昔ながらの仕事のやり方が、最近の会社の方針に合わなかったのでしょうか。渋々と彼はその中小企業へ出向きました。そこで彼を待ち受けていた中小企業のキーマンから彼は痛切な言葉を受けます。「お前なんて呼んでない」
受け入れ先の社員たちは、小さい会社ながら大企業に負けない努力をしてきたという自負があります。大企業出身とはいえ、下っ端の位置にいた彼は、受け入れた先からすると役不足に見えたのかもしれません。
そこから彼は奮闘しました。大企業出身ということで、白い目で見られていたかもしれません。しかし、下っ端だったとしても、大企業で得た経験は、中小企業でも十分以上に通用するものでした。まわりの反感を跳ね返すべく、彼は活躍しました。彼を下っ端だと思う人は次第にいなくなっていきました。
そして、彼は再び大企業に戻ってきました。小さい会社のトップ層とやりあった経験がいつしか彼の自信になっていたのでしょう。大企業でも彼はもはや下っ端ではなくなり、エリートが立ち並ぶ出世コースに乗っていました。
鶏口となれど牛後となるなかれ、とは古いことわざですが、まさにこのとおり、大きな団体の下っ端だった彼が小さな団体のトップとなり、今度は大きな団体のトップに上り詰めたのです。
そんな彼の名は、雑草魂と呼ばれる、新日本プロレスの真壁刀義です。
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プロレスラーらしいゴツゴツした肉体で、決して華々しいルックスではない真壁。彼は新日本プロレスの格闘技路線に出てくることはありませんでした。その代わりに彼はインディー団体に参戦するという、少し前の新日本プロレスでは考えられない行動に出ました。
彼の意思だったのか、会社の意思だったのかは私には分かりません。
ただ、サラリーマンからすると、「望まぬ姿で系列子会社へ単身出向させられた」ように見えました。
当時迷走していたとはいえ、業界最大手だった新日本プロレスのレスラーが、支持客層の違うインディープロレス(当時のアパッチプロレス)で歓迎されるわけもありません。
(特に、大手メジャー団体への反骨心で売っているような団体でした)
観客からの大ブーイングと、「真壁は呼んでないよ」と団体の人気レスラーに言われる始末でした。
しかし、彼はここで見事に結果を出しました。
業界最大手の新日本プロレスで作られた分厚い胸板は、そんじょそこらのインディー団体のレスラーとは桁違いです。 インディー団体のエースたちと流血を厭わないデスマッチを戦いました。
当然、メジャー団体から来たレスラーということで、相変わらずブーイングを浴びていたでしょうが、当初のブーイングとは意味が異なっていたのではないかと思います。
参戦後半のブーイングが、メジャーからきた憎い悪役に対するブーイングだとすると、参戦前半のブーイングは、真壁など見たくもない、というリアルなブーイングだったのではないかと私は想像しています。
彼が時代を呼び戻したのか、時代が彼を必要としたのかはわかりませんが、しばらくすると、新日本プロレスは迷走をやめ、オーソドックスなプロレスに戻ってきました。そうなってくると、分厚い胸板で、チェーン片手に暴走する真壁のスタイルが俄然活きてきます。インディーで得た経験を糧に、いつしか彼は新日本プロレスの頂点であるIWGPヘビー級王座を戴冠するまでに至りました。
大企業で働いている人って、「会社の名前で仕事をしている」なんて揶揄されがちです。でも、それなりに大きな仕事ができるように、基本的な(ビジネスの)トレーニングをしていることも事実だと私は思います。仮に、仕事のフィールドが変わったとしても、そこで得た経験や、ビジネスをする上での基本的な領域は活かせるはずです。
2012年、DDTプロレスの武道館大会で、大日本プロレスの伊東竜二らとハードコアマッチで対戦した際の、真壁の椅子の上への受け身など、ハードコアを主戦場とする大日本プロレス勢に全く劣らない潔いもので、感心したのを覚えています。上手く言えませんが、メジャーが上から目線でインディー(ハードコア)にとりあえずつきあっている、のではなく、同じ目線のままハードコアにつきあい、かつメジャーの凄さを醸し出していたのです。
真壁選手と似たような状況に陥った場合、「雑草魂」を合い言葉に、自分の力を信じて、是非ともトップ戦線まで這い上がりましょう!
※これまで1選手につき2回に分けてお届けしていたプロレスビジネス論シリーズ、もどかしいので、1回にまとめました。
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プエルトリコ出向経験もある真壁さん
見たことないけど、半沢直樹って真壁みたいなシチュエーションの人の話なのか?
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ある大企業で働く、若手から中堅社員の中間くらいにいる彼は、ある日、思いがけなず、中小企業への出向を銘じられました。最近交流が始まったとはいえ、これまでだったら取引もしていなかったような小さな会社です。
彼の昔ながらの仕事のやり方が、最近の会社の方針に合わなかったのでしょうか。渋々と彼はその中小企業へ出向きました。そこで彼を待ち受けていた中小企業のキーマンから彼は痛切な言葉を受けます。「お前なんて呼んでない」
受け入れ先の社員たちは、小さい会社ながら大企業に負けない努力をしてきたという自負があります。大企業出身とはいえ、下っ端の位置にいた彼は、受け入れた先からすると役不足に見えたのかもしれません。
そこから彼は奮闘しました。大企業出身ということで、白い目で見られていたかもしれません。しかし、下っ端だったとしても、大企業で得た経験は、中小企業でも十分以上に通用するものでした。まわりの反感を跳ね返すべく、彼は活躍しました。彼を下っ端だと思う人は次第にいなくなっていきました。
そして、彼は再び大企業に戻ってきました。小さい会社のトップ層とやりあった経験がいつしか彼の自信になっていたのでしょう。大企業でも彼はもはや下っ端ではなくなり、エリートが立ち並ぶ出世コースに乗っていました。
鶏口となれど牛後となるなかれ、とは古いことわざですが、まさにこのとおり、大きな団体の下っ端だった彼が小さな団体のトップとなり、今度は大きな団体のトップに上り詰めたのです。
そんな彼の名は、雑草魂と呼ばれる、新日本プロレスの真壁刀義です。
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プロレスラーらしいゴツゴツした肉体で、決して華々しいルックスではない真壁。彼は新日本プロレスの格闘技路線に出てくることはありませんでした。その代わりに彼はインディー団体に参戦するという、少し前の新日本プロレスでは考えられない行動に出ました。
彼の意思だったのか、会社の意思だったのかは私には分かりません。
ただ、サラリーマンからすると、「望まぬ姿で系列子会社へ単身出向させられた」ように見えました。
当時迷走していたとはいえ、業界最大手だった新日本プロレスのレスラーが、支持客層の違うインディープロレス(当時のアパッチプロレス)で歓迎されるわけもありません。
(特に、大手メジャー団体への反骨心で売っているような団体でした)
観客からの大ブーイングと、「真壁は呼んでないよ」と団体の人気レスラーに言われる始末でした。
しかし、彼はここで見事に結果を出しました。
業界最大手の新日本プロレスで作られた分厚い胸板は、そんじょそこらのインディー団体のレスラーとは桁違いです。 インディー団体のエースたちと流血を厭わないデスマッチを戦いました。
当然、メジャー団体から来たレスラーということで、相変わらずブーイングを浴びていたでしょうが、当初のブーイングとは意味が異なっていたのではないかと思います。
参戦後半のブーイングが、メジャーからきた憎い悪役に対するブーイングだとすると、参戦前半のブーイングは、真壁など見たくもない、というリアルなブーイングだったのではないかと私は想像しています。
彼が時代を呼び戻したのか、時代が彼を必要としたのかはわかりませんが、しばらくすると、新日本プロレスは迷走をやめ、オーソドックスなプロレスに戻ってきました。そうなってくると、分厚い胸板で、チェーン片手に暴走する真壁のスタイルが俄然活きてきます。インディーで得た経験を糧に、いつしか彼は新日本プロレスの頂点であるIWGPヘビー級王座を戴冠するまでに至りました。
大企業で働いている人って、「会社の名前で仕事をしている」なんて揶揄されがちです。でも、それなりに大きな仕事ができるように、基本的な(ビジネスの)トレーニングをしていることも事実だと私は思います。仮に、仕事のフィールドが変わったとしても、そこで得た経験や、ビジネスをする上での基本的な領域は活かせるはずです。
2012年、DDTプロレスの武道館大会で、大日本プロレスの伊東竜二らとハードコアマッチで対戦した際の、真壁の椅子の上への受け身など、ハードコアを主戦場とする大日本プロレス勢に全く劣らない潔いもので、感心したのを覚えています。上手く言えませんが、メジャーが上から目線でインディー(ハードコア)にとりあえずつきあっている、のではなく、同じ目線のままハードコアにつきあい、かつメジャーの凄さを醸し出していたのです。
真壁選手と似たような状況に陥った場合、「雑草魂」を合い言葉に、自分の力を信じて、是非ともトップ戦線まで這い上がりましょう!
※これまで1選手につき2回に分けてお届けしていたプロレスビジネス論シリーズ、もどかしいので、1回にまとめました。
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プエルトリコ出向経験もある真壁さん
見たことないけど、半沢直樹って真壁みたいなシチュエーションの人の話なのか?
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